機械翻訳で翻訳の仕事がなくなる日

Updated: Mar 15, 2021


機械翻訳
機械翻訳で仕事がなくなる日はくるか

ギズモードで自動化推進」で仕事が消える日。同僚がリストラされた理由はボクが作ったプログラムだったという記事を翻訳する機会があった。最近機械学習やAIについて調査する機会があり、AIも随分進化したものだと感心していたところだからタイムリーだった。


ちょっと長いが面白い内容なのでぜひ読んでほしい。この記事内にでてくる30年間その道を極めてきたプロトタイプの職人が、あっという間に3Dプリンタにそのポジションを奪われるところなど、身につまされる。だって今盛んに今世間では機械翻訳が取りざたされているから。


記事を書いている間に気になった。わたしがやっている翻訳の仕事は大丈夫なんだろうか。 THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION? と題したCarl Benedikt Frey† and Michael A. Osborne (2013) の論文が数ヶ月前に話題になったが、この論文では 工業分野においては自動化や効率化により2030年までに8億の職が失われるとされ、英国では2030年までに現在の仕事の約20%は自動化されるだろうと見込まれているとしている。教師あり学習(機械学習)に使用されるガウス過程を用いて702の職業がコンピュータ化される蓋然性を試算し、どの職種が影響を受けやすいかを数字で示している。これによると、すでになくなっている職種は会計記帳・レジ打ち、電話交換手。たしかにわが社でもすでにQuickbooksやrecieptbank、クラウド会計といったツールを使って会計管理をしており、以前なら経理にひと一人が必要なところ、現在経理は置いていない。これから自動化が進む職種には、法務、トラックの運転手などがあげられている。こちらについては今盛んに自動運転が進められている。また論文では‘0’ (not computerisable) または ‘1’ (computerisable) でランクづけをし、AIまたは機械化ができない職業とできる職業の一覧を載せている。これによれば、AI化できない職業は、外科医、歯科医、ソーシャルワーカー、小学校教師、心理カウンセラーで、AIまたは機械化できる職業はテレマーケターやトラック運転手、会計助手となっている。さて、気になる通訳者・翻訳者もランキングされている。その順位は702位中265位だ。結構高いのかな。平均よりも上にいる。


確かに最近の機械翻訳の躍進は目覚しい。簡単な文章ならばGoogle翻訳でもすぐに内容を理解することができる。それでは、わたしたち翻訳者はどうしたらいいのか。最近の技術革新の中でも注目すべきはビッグデータ。これまで不可能だった莫大な量のデータをコンピューターが処理できるようになった結果、非ルーチン作業だと思われていた仕事をルーチン化することが可能になりつつある。また、以前は不可能と考えられていた認知能力を必要とする幅広い仕事を機械化することができるようになった。今や通訳ソフトや通訳ツールも登場し、これからますます機械化やAI、IT化が進んでいくだろう。この論文の中では、これからは高次元でクリエイティブなスキルを身につけなくてはならないと結んでいる。好むか好まざるかに関わらず、AIの進化は超絶スピードで進んでいる。翻訳者たちは、いやでも機械翻訳やMTPE について考えなくてはならない時にきている。


また自動化できるのはなにも翻訳そのものだけではない。プロジェクト管理、ベンダー・翻訳者管理・会計・財務管理 (クラウド会計) 、スケジュール管理、支払い、用語管理、コーパス・翻訳メモリの構築などなど、ツールやクラウドを使って効率化できるものは翻訳ワークフローの中にたくさんあるのだ。翻訳会社や翻訳者はますますこのようなツールを使用して翻訳以外の部分を効率化させていくことができる。この点については明るい未来が待っているのだ。


また機械翻訳などはきちんとしたアルゴリズムのものを使用し、機械に学習をさせなければ使い物にさえならないときもある。翻訳をしたいと思っている人たちは、それらを踏まえてきちんとそれなりのリソース投資なり、時間的投資なりをしなくてはならないことを知っておかなくてはならない。また翻訳者も機械翻訳がどんなものなのかを知り、言われたままにポストエディットを引き受けたり、無料で使える機械翻訳を使ってやみくもに機械に下訳をするのでなく、その可能性や弱点を見極めながらも、機械にははできない翻訳へと注力していく必要があろう。いずれにせよ、近道はない。機械にまかせきりにして、学習や努力なくしてよい翻訳を作り出すことはできないのだ。これからは高次元でクリエイティブな翻訳ができなければ、生き残っていけない時代なのだ。AIの最大の弱点は過去の資産しか活用ができないという点だ。AIには創造性はなく、新しいものを作り出すことはできない。だからこそ、文脈を踏まえて考えたり調べたりすることが大切で、個人でできることは専門性を高めること、文章力をあげること、知識を蓄えそれを駆使することの繰り返しかもしれない。今まで誰も作り出したことのないような創造的な文章の創出なども翻訳者が生き残れる道なのではないだろうか。個人的には使えない機械翻訳を流し込むような形でなく、機械学習をもっと他の形で翻訳の効率をあげるようなところに使って欲しいものだと思う。












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